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暗殺者の愛で方壊し方

第4章 暗殺者は三度(みたび)哭く




「雨音?どうしたの?うずくまって」

「…………なんでもない」
「教授、また雨音いじめたんでしょ。ほらちゃんと謝って!」


ぷく、と両頬を膨らませて手を腰に、「怒ってます」ポーズをする時雨。
頼むから、これ以上刺激しないで。
お願いだから。


「いや、俺がテーブルの角に溝落ちぶつけただけだから、なんでもない時雨」
「だ、そうですよ」
「器用だね、雨音」


なわけねーだろ。
まじふざけんな。


隣では。
時雨を自分の膝の上に乗せて、顔中にちゅちゅキスしまくってる教授の姿。
何が全然触れて来ないの、だよ。
いつもどーりじゃん。


「…………俺、帰るわ」

アホらし。



「あ、雨音!」

くい、って。
袖口の裾が引っ張られて。


「ケーキ、ありがとう」


にっこりと笑う時雨。


「…………」


うん、まぁ。
時雨がこんな風に笑えるなら、こんなに可愛く笑えるなら。
まぁいっか。
とか思っちゃう俺も大概だよな。


「…………」


後ろで怖い顔した教授に殺される前に、早く帰ろう。



「雨音くん、明日大学で」

「…………大学で」



時雨のやつ、なんだってほんとこんな怖いやつに捕まってんだよ。
いつか絶対俺、殺される。

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