第3章 失敗は成功のもと
正面から抱きしめた時雨を思い切り抱き寄せて。
背中を丸めて時雨の柔らかな胸へと顔を埋めた。
時雨の匂い。
柔らかな身体。
こうやって触れてるだけで、疲れなんて吹っ飛んじゃうから不思議だ。
「教授、ってばッッ!!」
んーッッ、て両手ピンと伸ばして抜け出そうと顔を真っ赤にしてる時雨がかわいくて。
猫みたいで。
にこにこしながら頭を撫でてやる。
「かわいい、時雨」
ほっぺた、額、瞼へと次々にキスをしていけば、焦ったそうに身を捩る時雨の仕草が、表情が、下半身を熱くしていくのに。
「なんで…………っ?」
引き寄せた身体の分、密着させた体からは、自分の変化はありありと時雨に伝わる。
さらに真っ赤に困惑する時雨に、わざとぐい、と体を押し付けた。
「わ、わざとでしょ教授ッッ、楽しんでる!!」
「もちろん」
こんなかわいい時雨。
堪能しないなんて勿体ない。
「はーなーせ!!教授のバカっ、変態っ」
耳、首筋、首へと真っ赤な印で埋めていくと、両手を伸ばしてジタバタと暴れる姿が、だっこを嫌がる猫のようで。
やばいかわいすぎる。
「うぅ〜っ、もぉやだぁ」
そのウルウル紅潮した目と頬はわざとだよね?
時雨。
そんなかわいい顔して、ほんとに煽るのがうまいなこの子は。
着衣の中に忍ばせた手を背中にまわし、下着のホックをはずす。
「…………なんでぇ?」
こっちが聞きたい。
なんでもうそんな泣き顔なの、おまえは。
「やっぱり、怒ってる教授…………」
そのうちにヒックヒックと本気で泣き出した。
いや待って。
なんで??
「あたしが、あんな変なもの食べさせたから、教授怒ってるんでしょ?」
………………。
「はい?」
ぇ。
いや待って。
何?
どーゆーこと?
変なものって、食べさせた、って?
「だから、食べなくていいって言ったのに……っ、教授のバカぁ!!全部食べなくたっていいじゃん、嫌がらせ?」