第2章 暗殺者の上手な愛でかた壊しかた

「教授、何……っ」
「嫌なら泣き叫べばいい。言ったでしょう？」
「………っ」



驚きに目を見開いて、時雨が見上げる。
顎を持ち上げて視線を合わせた。
途端。
ぐ、と唇を結んで。
首を横にふる時雨。



「………そうですか」


トン、て。
肩を押して、時雨をベッドへと組敷く。
着ていたTシャツを脱いで、床へと落とし、時雨へと口付けた。
はじめから深く。
逃げられないように腕で時雨の頭を固定、して。
息もさせないくらいに深く深く、口内を暴れた。


「ふぅ……ッッ、ん！！」


口の端から零れる涎。
左手で腰のあたりを撫で上げれば、びくん、と反応する体。
俺が１から教え込んだ。
教えたとおりに、素直に反応する。
だけど。
今はそれが逆に苛つかせる材料へと変換されてしまう。



「はぁ……っ、は」



口付けを離したころには、ぐったりと浅く短く息をしていて。
時雨はただ、こちらを見上げていた。
なんの疑いも、ない視線。
絶対的な信頼。


「…………っ」


「━━━━っあ！？ぃ……った、あ……っ」



目を伏せて。
無防備な首筋へと噛み付いた。
あいた指先は、直接胸へと伸ばす。
形が変わるくらいに揉みしだき、力任せに掴み上げた。


「痛いですか、時雨」


「ふ……っ、んんぅ」


それでも。
涙をたくさん瞳へと溢れさせながら。
首を横に振る時雨。



「━━━━━っぁあ！？」



思い切り、今度は胸の先端へと、歯を立てた。



逃げるように、背中を反らして。
溢れた涙が、流れ出す。



「ぅ、っぁあ、ぁ」


痛みに歪む表情。
下から見上げて。
今度は歯を立てた先端を、執拗に舌で舐め上げた。


「ひ、っぁあ………ッッ」



明らかに、艶をます声。
跳ねる体。
反対側の胸も、指先で撫で上げれば。
ピクンピクン、と、痙攣する。


「気持ちいい？時雨」
「………っち、ぃいッッ、きょ、じゅ」