第7章 灯火
待ち合わせ場所はモーニングもやっているお洒落なカフェ。
待ち合わせの10分前に着いたけど、既にそこに七海は居た。
小さな紙コップを片手に新聞を見ながら座っている。
なんか絵になるなぁ。
「おはよう。ごめん、待たせちゃったね」
「おはようございます。私が早く着き過ぎたのでお気になさらず」
「それ今朝のニュース?」
「はい。読みますか?」
「ううん、大丈夫。私英字新聞読めないの」
珈琲を飲み終えた七海と並んで、大通りを歩く。
朝早いこともあってか人通りは疎らだ。
混雑していなくて歩きやすいし会話も出来る。
「真白さん、今日はしっかり朝ご飯食べました?」
「……タベタヨ」
「嘘ですね。
バレるようなくだらない嘘はつかないでください。
本当そういうところ五条さんに……」
「ごめんなさい。だからそれ言わないで」
悟に似て来た、は悟を知る人物からすれば貶されているのだ。
本人には申し訳ないけど。
昔からよく知っている七海に言われるとショックは大きい。
「まだ時間もありますし、先に朝食にしましょうか。
お腹空いてなくても少しだけカロリーを摂りましょう。
フルーツとかなら食べられますか?」
「え?うん」
「ちょっと待っててください」
そう言うと七海は来た道を引き返して行った。
相変わらず行動力が凄い。
悩まずパッと行動出来るところも凄い。
悟とは全く別の凄さを持った人。
色々な後輩が憧れて止まない訳だ。
「お待たせしました。
丁度近くのスーパーが開店していたので車でも食べられる物を。
先に桜井さんと合流しましょうか」
「うん、ありがとう。やっぱり七海は頼りになるね」
その後桜井さんと合流し、2人で後部座席に乗り込んだ。
七海が買って来てくれたバナナとお茶を少しずつ食べていく。
なんでも果物の中でバナナはかなり栄養価が高いんだそう。
「それより久しぶりだね、建人ちゃん」
「ちゃん付けは辞めてください」
「良いじゃない、可愛くて。
ね?真白ちゃんもそう思うでしょ?」
「うーん、私は虎杖くんが付けたナナミンの方が気に入ってるなぁ」
「何それ、可愛い!」
キャイキャイと2人で盛り上がる。