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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第6章 トナリ


「伊地知くんごめんね、急に連絡して。
今日お休みだった?」
「いえ、こちらは人手が足りなくて困っていたところなので助かります。
でも本当に良いんですか?この件は特級の辻咲さんには余る案件ですよ?」
「いーのいーの。
暇だから、適当に何件か振り分けてくれれば勝手にやるよ」



伊地知くんに今余っている仕事を貰う。
流石に特級案件はなかったけど2級の案件をサクサク片付けていくのもアリかな。
他の人には悪いけどちょっと暇つぶしで任務を貰お。



「送りましょうか?」
「ううん、大丈夫。
近場の案件を選んだしそこまで迷惑は掛けられないよ。
ありがと」
「!いえ!また何かあったら遠慮なく言ってください!」
「はーい、ありがと」



学生の頃から変わらず、伊地知くんは真面目で良い子だ。
よく悟に振り回されてるのを見てるけど、大丈夫かな?
プリントして貰った調査書を片手にフラフラと目的地に向かう。




*****




気が付いたらどっぷりと日が暮れて夜になっていた。
辺りは真っ暗で至る所で微弱な呪いの気配を感じる。
この辺りは日中は人通りがかなり多いけど、夜は全くと言って良い程居ない。




「……なんか出そう。面白い呪霊とか出て来ないかな」
「ちょっとお姉さん〜?それは不謹慎なんじゃなぁい?」
「悟に言われたくない」



ビルとビルの間の細い路地。
いかにも何か出そうな雰囲気をプンプンに漂わせている道を進むと、後ろから間延びした声が聞こえた。
いつものおちゃらけた声と話し方なのに、後ろにある空気がそう言ってない。
……怒ってる。
トゲトゲしいオーラが背中に突き刺さる。



「任務は終わったの?」
「あったり前じゃん。僕を誰だと思ってんの?」
「ねぇ、悟。何もなかったよね?」
「何が?」
「あの補助監督の子と。なんにもないよね?」
「……真白、僕のこと疑ってるの?」
「ちがっ、でも、そうなっちゃうのかも……ごめんなさい」



悟の顔を見るのが怖くて俯いてしまう。
どうしよう、絶対怒ってるよね。
幻滅されてたらどうしよう。
真面目に仕事してるだけなのに疑うとか最低だったよね。
不安が私を支配し、涙が込み上げる。
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