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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第5章 会えない時間


寮に戻り、溜まっていた報告書や調査書を仕上げていく。
何時間か作業に没頭し、一段落したところでお風呂に入った。
悟の部屋のお風呂は大きくて、1人で入るには勿体ないぐらいだ。
まぁ誰かと入ることもないんだけど。
広くて、綺麗で、凄く落ち着く。



「はぁぁ……さみしい」



湯船に浸かりながら考えるのは悟のこと。
今までも長期任務で会えないことは幾度とあった。
でもそれまでと違うのは思いが通じ合っていること。
愛されることを知ってしまった私には、1人の時間は寂し過ぎる。



「さとる……あ、やば!」



無意識に呪力が流れ、パチパチと水の中で弾けた。
呪力の制御も出来ないなんて修行を1からやり直した方が良さそう。
明日学長に呪骸作って貰おう。
お風呂から上がり、雑に水滴を拭うと部屋着であるスウェットに着替えた。



「……ちょっとだけなら」



今日も悟の服を貸して貰おうとクローゼットを開けた。
黒いいつも着ている服が何着もズラリと並ぶ。
どの服もヨレたり汚れたりしている物は1つもない。
どのぐらいのペースで買い替えてるのかな。
……古いの貰えたり。



「はふ……」



クローゼットの服に顔を埋めれば、悟の匂いに包まれて変な声が出た。
もうクローゼットに住みたいぐらい。
悟の匂いがいっぱいだ。
何枚か服を物色していると、机に置いてあったスマホが震え出した。



「もしもし?どしたの?」
「んー、真白の声が聞きたかったの。ダメ?」
「ダメじゃない。私も悟の声聞きたかった……」



悟からの電話。
ディスプレイ画面の五条悟の文字を見ただけで踊る心。
私はなんて単純なんだろうか。



「可愛いね。今何してたの?」
「お風呂出たところだよ」



悟のクローゼットに頭を突っ込んでいた、なんて口が裂けても言えない。
絶対に引かれる。



「ねぇ!聞いてよー、真白!
僕の出張!3日だったから渋々引き受けたのに実は2週間なんだって!」
「えっ……」
「完全に騙された!」
「ニシュウカン……」



会えない時間が増えるって分かって、目にジンワリと熱が籠っていく。
視界が歪み、涙が溢れそうになる。



「そんな泣きそうな声しないの。
抱き締めてあげられないのが辛いでしょ」
「してない」
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