第5章 会えない時間
恵の買い物を済ませて、ベンチで休憩していた。
荷物は重たいから速達で高専に送ったけど。
「真白さんてトレーニングも詳しかったんですね、意外です。
でも参考になりました」
「まぁ最低限の知識はね。
もっと詳しい知識持ってる知り合い居るから、分からないことあったら言ってね。聞いとく」
「ありがとうございます。
そういえば結局五条先生から返信来ませんでしたね」
「まぁなんだかんだ忙しい人だからね、仕方な……」
そう言いかけた時、タイミング良くスマホが鳴った。
この音はメッセージか。
なんだろう、悟かな。
「な……!?」
「どうしました?」
「な、なんでもない!恵は見ちゃダメ!」
「はぁ?今の五条先生からの返信ですよね?
ここまで付き合わせといてそれはないでしょ」
「だ、だって!」
ピロリンピロリンと何件か続けて連続でメッセージが入る。
『真白が欲しい』
『3回じゃ足りない、24時間抱かせて』
『もっとグチャグチャになるまで泣かせたい』
『あと出張で会えない時用の真白の動画欲しい、エッチなやつ』
これは絶対恵に見られる訳にはいかない。
そう思っていたのに私の馬鹿。
うっかりスマホを落としてしまった。
本当こういう時ついてない。
間抜け過ぎる……。
「……すみません」
気まずそうに恵が顔を赤くする。
そんな反応されると思ってたから見せたくなかったのに私の馬鹿。
なんで肝心な時にこういうミスしちゃうかな。
「やっぱりプレゼントは私作戦で良いんじゃないでしょうか」
「良い訳ないでしょ!馬鹿!」
クツクツと喉を鳴らして笑う。
こんな笑い方もするんだ、と少し見入ってしまった。
「今日はもう日が暮れちゃうから、また休みの日に来ることにする。
悟連れて来ればすぐ決まるわよ、きっと」
「そうですね、それが良いと思います」
「ごめんね、恵。せっかく付き合って貰ったのに」
「いえ。
俺も買って貰ってるし、楽しかったんで良いです」
「ありがと」