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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第5章 会えない時間


「聞いてます?真白さん」
「へ?」
「聞いてなかったんすね……」
「ご、ごめん。何?」
「対呪霊戦で相手が遠距離攻撃に長けていた場合、どう対処するのが得策ですか?」
「遠距離かぁ、ベタだけど私は一気に距離を縮められるのが嫌かな。
近付かせない為の遠距離攻撃でもあるし、急に詰められると調整が難しい時もあるから」



最近恵は体術や呪術のアドバイスを求めて来ることが増えた。
今までもなかった訳じゃないけど、頻度が格段に上がった。
まぁ恵の成長は素直に嬉しいから私に出来ることであれば全力で力を貸したい。
出張中でも電話やメッセージが飛んで来ることもある。



「相手と自分の力の差が近い程、その戸惑ったコンマ数秒が勝敗を決めると思うよ」
「真白さんもそうですか?」
「うーん、私の場合はそんなに関係ないけど、でも調整が大変だからあまり突飛なことはされたくないかも」
「ねぇ!着いたよ!
恵クン、また次の任務の時も宜しくねぇ?
今度はこの人呼ばないで」
「あ、はい。お疲れ様でした」



走り去って行く車を見ながら、少し肩を落とした。
そんなに私のこと嫌いなのか。



「そんな顔しないでくださいよ、調子狂います。
それより買い物行かなくて良いんですか?」
「……行く」
「どこに行きます?何を見たいんですか?」
「あの、ね?その……悟のプレゼント」
「あの人誕生日でしたっけ?」
「違うの、そうじゃなくて、指輪貰ったから……何か返したくて。
恵だったら何貰ったら嬉しい?」



ショッピングモールまでの道を歩く。
車通りは全然多くないけど、車道側を歩いてくれる。



「俺は好きな人から貰えるんだったらなんでも嬉しいですよ」
「ふぅん、恵好きな子居るんだ」
「ち、が……」
「ふふ、ごめんね、からかい過ぎた。
今回は食べ物じゃなくて形に残る物をあげたいんだけどね、何か良い物ないかなぁ」
「……普通に考えたら指輪返しますよね」
「うん。でもサイズ分からなくて……」



私は自分で思っていたよりも悟のことを知らない。



「今までの彼女からは何を貰ってたんだろう。
なんかちょっと負けたくない。恵知ってる?」
「そういえば知りませんね。
あの人あんなんでもそういうところはしっかりしてましたから」
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