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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第5章 会えない時間


「あ、ごめんねぇ待った?」
「いえ、それ程では」
「ほんと?じゃあ行こっか、恵クン」
「はい。あ、今日この人も一緒に良いですか?」



恵に話し掛けて来たのは、髪を明るい茶髪に染めた女の子。
見た目も言動も若い。
何歳下なのかな。



「えぇー、女の子?
まぁ恵クンのお願いだから特別にOKにしてあげる!乗って?」



露骨に嫌な顔をされてしまった。
やっぱり許可を取らずに勝手なことしたからだよね。
なんだかこの子にも恵にも申し訳ないことをしたなぁ。
恵が助手席に座り、私は後部座席に腰を落ち着けた。
運転中も恵は補助監督の子と話をしていて、私が会話に入る隙間はない。
なんとなくいたたまれなくてスマホを触る。



「OK、着いたよ〜。じゃあ帳を下ろすね。
闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え。
じゃあ恵クン行ってらっしゃーい、気を付けてね〜」



現場に着き、帳を下ろすと恵は1人で任務に向かう。
この程度の呪霊なら問題ないと思うけど気を付けてね、恵。
恵を待つ間、私は補助監督の子と2人だ。
お互いに初対面で何を話したら良いのか全然分からない。
ここは歳上が気を使って声をかけるべき?
いや、そもそもあまり私と話したくないかも。
どうしよう。



「あの、急にごめんね。私は」
「あー、良い良い。自己紹介とかそーゆーの要らない。
あたしは女の子に興味無いの」
「あ、そ、そう。ごめんなさい」



悩み抜いた末に自己紹介だけでもと思ったけど、こうもハッキリ言われてしまうとどうして良いのか分からなくなる。



「あ!恵クンお疲れ様〜」



気まずく重たい空気のまま待つこと数十分。
任務を終えた恵が建物内から出て来た。
良かった、これで少しは空気が軽くなるかな。
任務を終えた恵は行きの時とは違い、私の隣つまり後部座席に座った。



「恵クンなんで!
任務の時は隣座ってって言ったじゃん」
「すみません、ちょっとこの人に聞きたいことがあったので。
そもそも任務は終わってますし」



車は進むが、彼女はずっと不機嫌なままだった。
どうしよう、さっきよりも重たい空気になってる。
やっぱり私着いて来ない方が良かったよね。
ごめん、恵。
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