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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第4章 告白


『真白、避けて』
『っ、うん』
『虚式茈』



僕の前の呪霊を祓ったあと、間髪入れずに真白の相手も祓う。
イライラして通常よりも多くの呪力の篭ったそれは広大な範囲を抉りとる。



『いぇーい、一件落着!ってあれ、真白?』



姿の見えない真白に首を傾げつつ、歩みを進めようとした脚に何かが当たった。
踏んで壊れたそれは、真白の愛用しているサングラス。
風で舞って来たのか。
あとで新しいの買ってやろ、プレゼント。
なんて浮かれた頭で居た自分をぶん殴りたい。



『さ、とる……』



土埃の中から、感じる筈のない真白の呪力を感じる。
なんでそんなとこに居るんだよ。
危ねーだろうが。



『真白?おい!真白!』



土埃が薄くなると、その真ん中で倒れている真白の姿が見えた。
その周りは赤く染まっていてこれが全て真白の血かと思うとゾッとする。
中でも背中からの出血が多い。
なんで避けてねぇの。
なんでこんなとこに倒れてんの。
これじゃまるで俺が真白を……。



『ごめん。脚動かなくて……悟やっぱり強いね』
『お前脚怪我してたのかよ。なんで言わないの!』
『上手く避けたと思ったんだけど、思ってたより範囲広くて、ごめんね……』
『ごめん、ごめん真白』
『悟のせいじゃない……私が弱かったの』
『っ、お前が弱い訳ねぇだろ!
すぐに硝子のところへ連れてくから死ぬなよ』



ぐったりと力なく身体を横たえている真白を抱き上げ、高専に走る。
硝子の元へ連れて行き、治療を施して貰うも、背中に大きな傷跡が残った。
あの綺麗な白い肌に一生消えない傷を付けてしまった。
それからの真白はと言うと3日間高熱にうなされ続けた。



『悪い、守ってやれなかった』



氷嚢を取り替えるぐらいしか僕には出来ない。
僕の反転術式は人には使えない。
自分を治すことしか出来ない。
己の無力さを知ることになるなんて思いもしなかった。



『さとる……?』
『っ、真白!良かった……』
『ごめんね、悟』
『本当良かった……』



俯いて顔を見せないようにしてるけど、この時僕の目からは涙が溢れていた。
自分のせいで真白を殺すところだった。
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