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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第4章 告白


「バケモンかよ……」



ポツリと小さく漏れた声は風に乗って私に届く。
どこに行っても、誰と会っても、必ず言われる言葉。
呪力を込めることは多くの術師が出来るけど、その呪力を別の何かに変えることが出来る術師は存在しない。



「七海、今から指す場所を全力で叩いてくれる?
多分そこにある」
「はい」



私が指したのは、波で角が削れて丸くなった黒い岩。
その岩を七海が呪力を込めて全力で叩く。
岩は音を立てて崩れる。



「これは……」
「あの人魚の眼球。
多分祓われる寸前にこの眼球に全ての呪力を移して、岩の下に隠した」
「私の攻撃で潰れないところをみると、どうやら」
「うん。特級呪物になっているわね」
「やはりですか。
これは私が上に提出しますので封印を掛けて頂けますか?」
「ん、もちろん」



簡易的な封印を施し、七海に預ける。



「さて、これで一件落着だし東京に帰ろっか」
「そうですね」
「あ、俺はまだこっち残るからお2人でドーゾ」



なぜか少し腰が引けている佐藤くんが両手をブンブンと振っている。
観光でもしていくのかな?
まぁ止めないけど任務溜まったりしないのかな?



「辻咲さん、帰りましょうか」
「うん、そうね。ナナミン」
「その呼び方辞めてください」
「えー、やだ。その方が可愛いじゃない」
「可愛い可愛くないの問題じゃありません。
それに三十路近い男に可愛さを求めないでください」
「七海は可愛いよ、昔から」



他愛もない話をしながら新幹線に乗った。
車内で七海オススメのカスクートを食べながら、変わりゆく景色を眺めていた。



「体調はいかがですか?」
「ちょっと体力落ちてるけどそれ以外は平気」
「そうですか。
五条さんとは話せましたか?」
「……うん。あの、ね?七海」
「どうしました?」
「ちょっと恥ずかしいから耳貸してくれる?」
「っ、はい」



自分から口にするのは物凄く恥ずかしい。
でも七海には1番に報告したい。
この前相談に乗って貰ってるし、その前から色々と悟関係で助けて貰ってる。



「っ、さ、悟に……プロポーズされた」
「は?」
「結婚しようって」
「……そうですか、それはおめでとうございます」
「えへへ、ありがと、七海」
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