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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第4章 告白


新幹線に乗り、現地へ急ぐ。
再び口を開こうとした佐藤くんを制し、先に話を始めた。



「まず先に現状報告。
私に掛けられた呪いは解かれた、記憶も戻った。
呪力や術式にも何も問題はない」
「記憶戻ったんですね、良かった」
「今回の呪いの解除方法、七海にメールした通りで間違いない」
「自分以外の誰かの涙を浴びること」
「うん、そう。私もそれで解けた。
今回の被害者達の現状も聞いてる、全員元に戻ったってね」



七海に連絡を入れた時に、合流する前に資料を送って貰ったのだ。
今後の動きを見極める為に。



「ちょちょ、全員戻ったならハッピーエンドなんじゃねぇの?
なんでわざわざまた沖縄まで行くの?
しかも俺も一緒に!」
「佐藤くん、少し言葉遣いが……」
「良いの良いの、気にしないから。
まぁその疑問は最もね。呪いは解けたけど解決した訳じゃない。
彼女達は祓われる寸前、自分の魂を別の何かに憑依させた」
「っえぇ?」



領域内でそんなこと出来るなんてにわかに信じ難いけれど。
特級呪物を2つも所持していたところを見ると、不完全でも出来てしまっても不思議はない。



「今日はその憑依された物を見つけ、祓う為に行くの。
多分彼女達が憑依しやすい何かが、現場にはあると思うから」
「でもそれ俺も行く必要ある?
七海さんが居るなら俺要らねーんじゃね?
あ、分かった。あんたの護衛?俺SP?」
「佐藤くん、護衛なんて……」



あ、七海の顔がどんどん険しくなっていく。
悟と話す時とはまた違う険しさだ。



「ううん、護衛じゃない。ていうか護衛なんて必要ない」
「ヒュー、言うねぇ」
「1日2日任務に携わった七海や私よりも、長く任務についていたあなたの方が適任かと思って。
頼りにしてるわよ」
「へへっ、任せてよ!俺は最強になる男だからね!」
「……へぇ、それは期待してるわ」
「あなたはまたそうやって期待を持たせることを言う……現実を教えてあげないんですか」



最強になる。
口で言うのは凄く簡単だ。
でも1度悟に会ってしまえば、そんなことは戯言だと笑えて来る。
どんなに必死に訓練をこなしても決して埋まることのない実力の差。
近くにあるようで遥か彼方にあるその背中。
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