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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第3章 契り


真白は遂に1週間目を覚まさなかった。
ここまで来るともう一生起きないんじゃないかって不安が頭を過ぎる。
そろそろ栄養が足りなくて点滴やら何やらを投与せざるを得なくなったのは、4日目からだった。
真白が起きるまで、休み時間の度に硝子のところに通う。


「そんなに頻繁に来ても変わりゃしないよ」
「良いの。僕が居たら起きたくなるかもしれないでしょ」


硝子のところには、色々な生徒達が見舞いに来る。
真白はそれだけ周りから慕われてるんだ。
今日もほら、七海が来てる。
真白が1番心を許している後輩。



「早く起きろよ、犯すぞ」
「五条さん、それはアウトです」


ぷっくりとした、小さな唇に自分の唇を重ねる。
ふにゅっとした柔らかい感触。
1週間ぶりなのに、なぜかもっと長い間触れていないような感覚に陥った。
もっとしたい。
やば、勃ちそう。



「っ、いや!」



バチンと頬に走る衝撃。
術式を解いていた僕にバッチリ当たった。
地味に痛い。
僕のこの顔を叩くなんていけない子だね。




「おはよ〜、真白。随分お眠りさんじゃん。
1週間ぶりの目覚めはどう?」



顔を近づけ、顔色を覗き込もうとするとあからさまに怯えていた。
肩を揺らし、僕から逃げようとする。
そんな身体で動ける訳なんてないのにね。
硝子がゆっくりと真白の身体を起こし、ベッドに座らせる。
相変わらず目をキョロキョロと忙しなく動かし、戸惑いを隠せない様子だ。



「……なんでキスなんてしたんですか」



目に涙を浮かべ、キッと下から僕を睨む。
そんな可愛い顔してももっと虐めたくなっちゃうだけだよ。
いつも言ってるじゃん。
視覚や聴覚、触覚は問題なさそうだね。
声も出てる。
身体も動くようだ。



「……ん?敬語?」
「最低!変態!」
「え!?ちょ、真白?どうしちゃったのさ」
「気安く名前を呼ばないで!変態!」
「……僕のこと分かる?」
「はぁ?なんで私がお前のこと知ってると思ってんの!ストーカー?」



これは、あれだね。
検査するまでもなく……。



「記憶喪失か。厄介なことになったねぇ。
これじゃ制約の解き方なんて覚えてる訳が無い」


真白にストーカーとか変態とか言われんの地味にキツイ。
精神的に来る。
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