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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第3章 契り


ホテルでチェックアウトを済ませ、新幹線に乗る。
一刻も早く高専に戻らなくては。
辻咲さんの出血はなんとか止まった。


「必ず生きてください。あなたが居なくて誰があの人の面倒を見るんですか」


空港に着き、予め呼んでいた伊地知くんの車に乗り込み、高専へ最短距離で向かう。
五条さんも家入さんも待機済み。
辻咲さんの右腕と胸元から発せられる呪力が強まっている。



「家入さん!」
「居るよ。そこに寝かせて」
「凄い呪詛だね〜、真白がこんなにやられるなんて。
やっぱり僕が行くべき案件だったかな〜」
「……はい。私が力不足で脚を引っ張りました」
「いや、七海とは相性が悪い。こればっかりは仕方ない。
僕は真白に言ったんだよ。
特級術師は相性が悪いからやられて仕方ないでは済まされない」



五条さんの言葉に、普段はない棘がある。
確かに特級は特別だ。
術師の上限は1級と言われている中、その中に収まらなかった規格外の力を持つ者。
それが特級。



「……家入さん、恐らく辻咲さんの身体には呪いがかけられている。
被害者女性達と同じ呪いです。
彼女達と同じ場所には刻印はありませんでした」
「何七海、真白の胸見たの」
「すみません、胸骨部分を確認させて頂きました」
「あとで殴る」
「はい、覚悟は出来ています」



真白さんを取り巻く呪いは濃い。
身体に重く伸しかなるような。



「……あったよ、刻印。左の胸にね。
右腕の呪いと、肩、肩口の傷口は完治。
でもこれの刻印は消えない、多分別の解除方法があるんだろう」
「はい、そのようです。
辻咲さんはその答えを知っているようなのですが、それを聞く前に……」



寝台で眠る辻咲さんの顔色は、いつもより白く生気がない。



*****



高専で僕の大好きな甘い物を食べていると、珍しく七海から電話が入った。
完了報告は僕にしないだろうし、何より真白が掛けて来ないところを見ると緊急事態か。



「何、七海。真白は?」


メッセージも既読がつかないし、連絡も取れない。
真白はあまりスマホを触らないから連絡が遅いことなんてよくあるけど、いつも僕が拗ねるから僕への返信だけは早い。
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