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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第3章 契り


「っ、なんとかセーフ……?」


膝から力が抜ける。
倒れそうになる寸前で七海が受け止めてくれていなければ、今頃地面に横たえていただろう。


「……両面宿儺の指が2本。通りで強い訳だ。よく暴走しなかったね」


出て来た2本の指に封印を掛けると、身体から力が抜ける。
意識を保つのもここで限界。
止まることを知らない肩と腕の出血は、私の体温をどんどん下げていく。


「大丈夫ですか?一旦止血します」
「ありがと」


ハンカチとネクタイを使い、止血してくれる。


「早急に高専に戻ります」
「自分で動けるよ?」
「それは私が判断します。大人しくしていてください」
「七海、彼女達の呪いはまだ解けない」
「は?」
「まだ解除条件を満たしてないの。
実際に契約に触れて分かったことだけどただ祓うだけでは、掛けられた呪いはなくならない」



あ、やばい、凄く身体がフワフワする。
七海に抱えられ、揺られているから?
気を抜くと意識が持っていかれそうだ。
今意識を失くすのは得策ではない。
いつ起きられるかどうか、起きた時にどうなっているか分からないから。



「予測でしかないけど、解除方法は2つある。
セイレーンが自ら呪いを解くか。
こちらが強制的に呪いを解除させるか。
呪力ではなく人間の力が必要になる。難しいことではないけど面倒なタネだね」
「では、どうすれば?」
「……」
「辻咲さん?辻咲さん聞こえますか!?」



*****



私の腕の中で眠る小さな身体。
辻咲真白。
五条さんと同じ特級術師でありながら、他を寄せ付けない才能と経験がある。
今回の事件の真相も彼女の知識量があってこそ分かったようなものだ。



「チッ……最悪だ」



彼女が目を覚まさなければセイレーンの呪いも解けない。
彼女は何を奪われた。
目を覚ますまでどのぐらいかかる。
出血量も多い、意識の混濁は失血のせいか?
それとももう呪いの影響が?
呪い……?



「……すみません、辻咲さん。失礼します」



辻咲さんの胸元のシャツを広げ、刻印を確認する。
他の被害者達と同じ胸骨部分には何も出ていない。
まだ呪いの影響が出てないのか?
いや、それはないな。この濃い呪力が物語っている。



「……ここから先は五条さんに確認して貰わないと」
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