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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第1章 もう1人の最強


「なんとか間に合ったよ!真白ちゃーん?生きてる?」
「は、はい。ありがとうございました」



桜井さんは高専に着くなり、学長に挨拶して来る、と1人で行ってしまった。
少し胃が気持ち悪い。
いや、少しどころではないな。
地面が揺れている。



「う……吐きそ……」



目の前がグルグル揺れて今自分が立っているのかすら分からなくなる。
気持ち悪い。
寝不足が祟ったかな。
立って居られなくてその場にしゃがみ込んだ。



「お姉さん、大丈夫?どっか痛いの?具合悪ぃ?」
「……っ、う……」
「あ、吐きそう!?伏黒ー、なんか袋とか持ってない?このお姉さん具合悪そうなんだよ」




伏黒。
聞き慣れた名前に顔を上げた。
涙が滲んでよく見えないけど、このピンク髪のシルエットはなんだか知ってる気がする。
誰、だっけ。



「真白さん!?」
「お、なんだ知り合い?」
「あー……桜井さんの暴走運転か。
虎杖、五条先生呼んで来い」
「なんで五条先生?」
「良いから行け」
「よく分かんねーけど、そしたら解決すんだな!?行って来る!」



土埃を上げて走っていく男の子。
純粋で真っ直ぐな感じだ。




「ごめん、恵」
「別に。あんた三半規管弱いんだから運転手代わって貰えば良いじゃないですか。
歩けます?」
「むり」
「五条先生来るまで日陰に運びますね」
「重いから、恵潰れちゃう」
「いつまでもガキ扱いしないでください。
あんたぐらい運べますよ」



ふわりと浮いた身体。
不安定な感じはあるけど、落とされそうな感じはしない。
ずっと子供だと思ってたのになんだか寂しいな。




「寄りかかります?その方が楽でしょ」
「ん、ありがと……」



グラグラ揺れてる頭と、身体を恵の肩に預けた。
身体に力が入らない。
きっと重たいだろうなぁ。
よく見れば恵はジャージを着ていて、ほんのりと汗の匂いがした。



「実技?」
「はい、まぁ」
「よく見たら怪我してる。治してあげようか?」
「病人に言われたくないです。
あとあなたに治して貰うと五条先生が煩いんで、良いです」



私の唾液には治癒成分が含まれている。
唾液が触れたところの傷を癒すことが出来るんだ。
もちろん万能では無いけれど。
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