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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第2章 過ち


虎杖くんを新幹線に乗せて、また元のホテルに戻る。
なんだかドッと疲れが押し寄せて来る。
あと眠い。


「はぁ……なんだか今日は疲れましたね」
「うん。本当に最悪。
そんな大事な予定なら任務に出す前に把握しておきなさいっての」



結局部屋も他に空き室がないらしくそのままだ。
相手が気心の知れた仲と言えど、男と女だ。
普通に考えて良くないだろう。
まぁナナミンなら私とどうこうなんて、絶対に有り得ないんだけど。
悟じゃあるまいし。



「今日はもう休も?先にお風呂使っても良いよ」
「良いんですか?ではお言葉に甘えて」
「行ってらっしゃーい」



ナナミンを浴室に見送り、私は新しく貰ったスマホの初期設定を進めていく。
と言っても機械に強くない私は説明書を読みながらでないと、設定出来ない。
だから前のままが良かったのに。



「お風呂頂きました。
辻咲さんも冷めない内にどうぞ」
「……なんかエッチだね」
「は?」
「なんでもなーい。入って来るね」



バスローブを来たナナミン。
いつものキッチリとセットされた髪ではなく、下ろしている姿はレアだ。
って何をドキドキしてるんだ、私。
私が好きなのは悟なのに。



「悟も私のこと好きなら良かったのに……」



ポツリと漏れた本音はシャワーの音に飲み込まれて消える。
悟と私が恋人同士なんて、都合の良い話がある訳が無い。
どんな気持ちで恋人なんて笑って言うのか私には分からない。
悟が何を考えて、どう思っているのか。
私はそれを聞く術を持たない。
聞く権限すらない。




*****




「大丈夫ですか?顔赤いですよ」
「ん、へーき。ちょっと考え事してたらのぼせちゃっただけ」
「そうですか。
それよりスマホ買い換えたんですか?」



そういえばテーブルの上にスマホと説明書置いたままだった。



「まぁ、そうなるかな。
悟が私のスマホ壊してね、修理に出してるんだけど新しいの買ってやるって昨日渡されて」
「辻咲さん機械苦手なタイプでしたっけ?」
「ハイ……」



私の術式は放電、電気を扱う。
こういった精密機器は少しの電力でも回線がショートしてしまったりと不具合を起こすことが多い。
ちょっとでもイライラしたり、気を抜いて呪力をタレ流せば一瞬でツミだ。
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