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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第10章 五条悟という男


「黙ってるってことは図星で良いってことだよねー?
ま、証拠あるから言い逃れは出来ないんだけど。
僕達の仲を引き裂こうとして僕に滅茶苦茶な任務を押し付けたり、その子を宛がったりしてたのは見逃してたよ。
でもねぇ、僕の大事な真白に手出したのだけは許さない」
「っ、もう隠せないって訳ね」
「さっさと吐いた方が身の為だよ〜。
この件はもう上も動いてる。僕の権限でね」


悟は特級呪術師である前に、五条家の現当主。
物事次第では強大な権力を持っている。


「そうよ、わたしが真白ちゃんを刺したの」
「っ!?」
「だってあんな男の子供を身篭ったなんて言うんだもの。
真白ちゃんはわたしの物なの」
「真白びっくりさせちゃってごめんね。
こいつ、実は身体も心も男。恋愛対象も女。
真白はずーっと狙われてたってこと」
「え……?桜井さんが男の人なのは知ってたけど、でも恋愛対象は男の人って……」
「それは真白に近付く為の嘘ってこと」


衝撃の事実に開いた口が塞がらない。
どうして?
じゃあずっと私は桜井さんに騙されてたの?嘘をつき続けられていたの?



「ごめんね、真白ちゃん。
あなたがあまりにも可愛いからつい欲しくなっちゃって。
高専にあなたが入学して来た時から目を付けてたの。
でも他の男のものになるぐらいなら、わたしが殺してあげようと思って。
そうすれば誰にも真白ちゃんを触らせない。わたしだけのものになるの」




そう笑う桜井さんに、背筋が冷えていくのを感じた。
仕事で1番信頼していた近しい人に、命を狙われていたなんて知りたくなかった。




「真白ちゃんが助かったって聞いた時、安心したのと同時に絶望したわ。
もうこれで真白ちゃんの近くに居られない、そう思ったから。
でも真白ちゃんはわたしに刺されたことなんて覚えてなかった、だからもう1度付け入るチャンスだと思ったの。
流産したばかりの傷心の真白ちゃんをいたわれないクズ捨ててしまえば良い!」
「っ……信じてたのに……」
「真白。これ以上は辛いでしょ、あとは僕に任せて外で待ってられる?」



悟が肩を支えてくれる。
悟の言う通り辛い。この場からすぐにでも逃げ出してしまいたい。
全部嘘であって欲しい。
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