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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第10章 五条悟という男


高専に着き、全員で地下室に向かう。
地下室には様々な呪符が貼られ、外へは一切呪力を漏らさない。
その上防音性能も高い為、ここで何が起きても外部にその情報が伝わることは無い。
これ以上ない隠れ場である。



「ちょっと悟ちゃん?
早く上に引き渡した方が良いんじゃないかしら?」
「うん。でもその前にちょーっと聞きたいことがあるんだよね〜」



そう笑うと悟は、目にも止まらぬ速さで2人に呪符を貼り付けた。
力が抜けてその場にへたり込む桜井さん達。
あの呪符は御三家に伝わる、強力な呪いの込められた呪符だ。
相手を拘束することはもちろん、物によっては嘘を吐かせない縛りが設けられているものもある。
今回悟が使ったのは、そっちの方だろう。




「っ、悟ちゃん!?」
「ちょーっと聞きたいことがあるんだよね〜。
暴れられると面倒だし一応拘束したけど、まず、よく僕の真白を傷つけてくれたね」




へたり込んでいる桜井さんの前にしゃがみ、真っ直ぐ目を合わせると低い声でそう告げた。
私が口を挟めるような空気ではない。



「なっ、なんのこと!?わたしが真白ちゃんを傷つける訳ないじゃない!
冗談言わないでよ」
「冗談?いくら僕でもこの状況で言う訳ないだろ。
真白を傷つける奴は許さないって決めてるの」
「わたしはそんなことしてない!」
「そうよ、悟。何失礼なこと言ってるの?
桜井さんはいつも私を助けてくれて……」
「任務では、でしょ」
「それはそうだけど……でも桜井さんはそんなことしないわ」
「羨ましい程真白の信頼を得てんのね」



悟の声がズシンとお腹に響く。
誰が見ても明らかだろう。
怒っている。
悟がここまで感情を表に出すのは珍しい。
感情を出せばそこに付け入ろうとする輩が出て来る為、幼い頃から感情を爆発させないようにしていたそうだ。



「真白は優しいから、人が傷つくのを嫌がるんだよ。
だから今回のことも水面下でケリつけようと思ってたけど、ここまで大きくコトを運ばれたらね〜。
流石の僕も穏便に済ませられないっしょ!
僕への嫌がらせは見逃せても、真白を刺したのは許さない」
「……」
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