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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第10章 五条悟という男


彼女の叫び声に合わせて、周りで大きな爆発が起きる。
私と同じタイプの術式?
それともただの偶然か。
後者ならば良いけど、前者だった場合は少し骨を折りそうだ。
呪力の総力戦になる。



「なぜ呪術師は、非呪術師を守らなければいけないの!?
守ったところで別に感謝されるワケでもないし、アタシ達の存在に気付いてすら居ないじゃない。
あんなバカ共の為に命を張るなんてバッカみたい」
「っ……」



彼女の言葉、過去にも聞いたことがあった。
今から10年程前、かつての同級生が話していたことがある。
と言っても面と向かって話した訳じゃなく、別の術師と話しているのを聞いてしまっただけなんだけど。




「アンタはおかしいと思わないの!?
アタシ達が掛けてる命は、あのバカ共よりも低い価値だって言われてるようなものじゃない!
ふざけんじゃないわよッ」




彼女の声は痛い程分かる。
私達はいつも命を掛けて戦っている。
任務は常に死と隣り合わせだ。いつ死んでもおかしくない。
それなのに一般人は私達呪術師が居るお陰で日常生活が送れていることを知らない。
呪いの見える一般人なんて希少だから、当然のことなんだけど。
中にはそれを良く思わない呪術師も居る。



「……そっか、アンタみたいな特級にはこんな小さな悩み分からないわよね。
特級は特別なのよね、アタシ達みたいな鉄砲玉とはワケが違うに決まってる」
「そんなことはないよ。
階級が上がれば必然的に任務の危険度も上がる、命を掛けて戦っていることに違いはないわ」
「ハッ、どうだか!
どんなに努力してもせいぜい準1級止まり。
特級なんて所詮お家芸でしょ、どうせアンタも家がデカイんでしょ!?」



呪術師としての能力は才能がほとんど。
一般人から才がある子が生まれる確率は少ない。
基本的に術式は遺伝するものが多い。
最近の禅院家はそうでもないが、加茂家や五条家なんかは特に。




「……話し合いが出来る感じじゃないわね。
大人しく降伏すれば痛くはしないわよ」
「誰が!アンタみたいな肩書きだけのオンナに負けるワケないでしょ!?」
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