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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第9章 サヨナラ


「悟が照れるなんてレア。写メって皆に見せよ」



パシャパシャと悟のスマホで連写する。
写真じゃ分かりにくいけど薄らと耳も赤い。
超絶レアショット。
あとで自分のところに転送しよう。



「真面目な話だけどさ、しばらくは安静にしよっか」
「……傷口、深かったんだよね?」
「うん。
硝子がギリギリ急所を外れてたから助かったけど、あと数センチズレてたら助からなかったって言ってた」
「……私を見つけてくれたの悟なんだって?」
「そ。あれは流石に肝が冷えた。
初めて頭が真っ白になったよ、しばらく動けなかった」
「ごめんなさい」



あの悟が動けなくなる程の衝撃。
それは相当なものだろう。
この事実が他の呪詛師に知れれば、彼らは真っ先に私を狙いに来るだろう。
私に怪我を負わせ、悟を動揺させたところでズブリ。
悟を殺すつもりだ。
悟の足手まといになるのだけは絶対に嫌だ。
自分のことぐらい自分で守れるようにしなきゃ。




「真白が謝ることじゃないでしょ。
まぁ外を確認せずにドアを開けたところは怒るけど」
「悟の部屋を訪ねて来る人だから大丈夫だと思って……ごめん。
悟の足だけは引っ張りたくなかったのに」
「こーら、いつ誰が足を引っ張ったなんて言ったの?
この僕だよ?真白が心配するようなことは何も無い」
「せめて自分の身は自分で守れるように強くなる」



今回のことは、私の弱さが招いた失態だ。
特級呪術師に有るまじき失態。
これは降格も有り得るかも。
そうなったら私はまた良い笑い者だ。



「何を考えてるのか知らないけど、真白は十分強いよ。
ただ少しだけ優し過ぎるだけ。
対呪霊なら真白は誰よりも強い、自信持って良い」



そう。
対呪霊なら、それはどこの現場に行っても言われて来た。
呪霊戦、もしくは明らかに敵意を持った人間との戦いであれば強い、と。
つまりそれは一般人相手には弱いということ。
敵意があるか否かで警戒を緩めてしまう時があるからだ。
学生の頃から何も変わっちゃいない。
私の弱さ、甘さ。



「呪術師やってると、あんまり一般人を警戒することなんて少ないからね。
それに今回は普通の一般人じゃなくて高専に出入り出来る人間。
真白が警戒しなくても不思議はない。
だからあまり思い詰めないで」
「ごめん、ありがとう」
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