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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第9章 サヨナラ


「なんでそんなに遠いの?」
「遠くないよ」
「もっと悟にくっつきたい」
「だぁめ、僕が我慢出来なくなっちゃうでしょ」
「我慢なんかしなくて良いもん」
「ダメだよ。今は身体を大事にしなきゃ。
あ、ねぇ、七海から受け取ってくれた?りんご飴」



そうだ。
そういえば寝る前に貰った気がする。
確か冷蔵庫に入れておきますねって言ってくれたような。



「冷蔵庫にあると思う。食べたい」
「え、今?」
「うん。今食べたい」
「まぁ食べれるならいっか。ちょっと待ってて」



離れようとする悟。
やっぱりちょっとだけでも離れるの嫌だなぁ。
すぐに戻って来てくれたけど、それでも寂しくない訳じゃない。



「寂しかった?」
「うん」
「ごめんね。赤と青どっち食べる?」
「青!」
「ふふ、分かった。食べやすいように切ろうか?」
「切っちゃったらダメなの。りんご飴はそのまま齧ってナンボです!」
「ふはっ、何それ。食べたらおんなじじゃん?」
「全然違うの!」
「えー、食べにくいよ?」
「そこがまた良いの。悟はなんにも分かってない」



りんご飴は丸齧りするから良いのだ。
あの食べにくさが。



「あ、そういうこと言う子にはあげないよ」
「ごめんなさい」
「でも今日は1個ね。体調が心配だから」
「りんご飴はその日の内に食べるのが美味しいんだよ?
せっかく悟が買って来てくれた物なんだから美味しい内に食べたいの」
「分かったからその可愛い顔やめて。わざとやってるでしょ」



はぁ、と軽い溜め息を吐く悟。
上目遣いで見つめればイチコロだって、確かに硝子の言う通りだった。
よし、バレない程度に多用しよう。




「明日皆にも謝らなきゃ。沢山迷惑掛けちゃったから」
「迷惑じゃなくて心配ね。
てか棘も居たけど呪言効かなかった?」
「そうみたい。その時は呪力を抑えるのに必死でイマイチ分からなかったんだけど」
「まぁ呪力が溢れてる状態だから耳もガードしてたんだろうね。
あと真希に嫁って言われちゃった!」



キャピッと舌を出して笑う悟。
その表情はいつもと変わらなく見えるけど……。



「ふふ、悟耳赤い。照れた?」
「僕だって照れる時ぐらいあるよ」
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