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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第8章 過保護じゃなくて溺愛ね


悟の隣に腰を下ろすと、室内に緊迫した空気が流れた。
その空気を醸し出しているのは悟。
あの悟がこんなにピリピリした空気を隠さず出すのは珍しい。



「今日からしばらく真白には一切の任務を振らないで」
「ちょっと悟!?」
「は?え、一体どうしてですか?」
「……妊娠したの。お腹に僕の子が居るのね」



ポンポンと優しく私のお腹を撫でる。
その手はいつもよりも優しく、暖かい。



「え!おめでとうございます」
「ありが……」
「それでね、産まれるまでとは言わないけど少なくとも安定期に入るまでは仕事を休ませたい」
「それなら私よりも上と話した方が……」



お礼を言おうと口を開けば、それに被せるように悟が続ける。
まるで私に口を挟ませないようにしているみたいだ。
それなら少し黙っておこう。



「僕と真白の子だよ?
絶対特級レベルの呪力と才能を持った子が産まれる。
僕や真白を超える呪術師になるかもしれない。
そんなの周りが黙って見てるだけだと思う?」
「それは……」
「十中八九お腹の子を狙う輩が出て来る。それも、うじゃうじゃね」



悟も幼い頃から億単位の賞金を掛けられ、命を狙われて来た。
五条家、六眼、無下限呪術。
悟が居る限り呪詛師はコソコソと隠れるように生きていくしかない。



「呪詛師連中だけじゃない。
僕が更に権力を持つのを嫌う奴が居る、それも上層部にね。
そいつらが真白に何をするか分からない」
「なるほど……しかし、安定期って一体どのぐらいの期間ですか?
その期間私が辻咲さんのスケジュールを誤魔化すと……?」
「うん、よろしく。
その間の任務は僕に振ってよ」
「えっ!?」



悟の発言に伊地知くんが目を剥いて驚く。
普段の悟からは考えられない言葉だ。
かく言う私も伊地知くんと同じ反応をしてしまった。
これはあとで怒られちゃうかな。



「安定期は大体5ヶ月ぐらい?」
「うん、大体そんな感じ」
「今が1ヶ月ぐらいだから、あと4ヶ月は嘘のスケジュール提出して誤魔化して。
補助監督のあの子には言わないで」
「あの子と言いますと?」
「ほら、あの子。名前なんだっけ?
最近よく僕に着いて来る子」
「あぁ、彼女ですか。かしこまりました」
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