第14章 エンプティ【サンズ】
グリルビーが目の前で
グラスを拭いている。
カウンターの上から腰が出ている。
座って軽く見上げる程には背が高い。
PLAYERはグリルビーの顔を見上げた。
グリルビーにバーガーを注文した。
サンズはカウンターにだらしなく
肘を突いたまま、指を2本突きだした。
「グリルビー、バーガー2つだ」
グリルビーは頷いた。
グレータードッグが、
PLAYERの背中に凭れ掛かってきた。
重い・・・。
グレータードッグは、
一緒に遊んでくれるPLAYERのことが
大好きなようだ。
レッドバードが、PLAYERの両肩に
そっと翼を乗せる。
そしてPLAYERの横に、顔を寄せた。
「あなたたち、最近二人でいること多いわね」
「二人でお笑いコンビでも組むのかい?」
お笑いコンビ。
サンズとPLAYERは顔を見合わせた。
サンズはコメディアンだ。
ピン芸人として
METAホテルで公演した功績もある。