第24章 二人の時間は動き出す
「…いや、なんでもない」
そう俺が誤魔化すとマイクは続けて
「あーあ!後は俺一人で終わらせられるのに、集中できねえなあー!一人になりてえなあ!」
そうわざとらしく俺に帰るよう促した。
「おい、なんだよ、マイク」
「いいから今日は帰れよ、ほんとにもう一人でも終わるから」
強引なマイクに負け、
俺はマイクを残して帰ることになった。
時刻は23時45分
帰り道時間を確認して、あいつはもう寝ているかもしれないかと思った。
今何をしてるんだろうか
20歳の誕生日、誰と過ごしたんだろうか
人気のない帰り道、
顔に当たる夜風は冷たく、気持ちがよかった。
「……かけるだけ、かけてみるか」
そう思い、俺は何年かぶりに幻想の番号を探していた。