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相澤消太は不健全に恋をする

第28章 二人の恋は形を変える


【相澤消太side】


「私を差し置いて、ほんっとーにありえないわ!!」
「まあまあ、驚く気持ちは分かるけど…」


職員室ではミッドナイトさんが荒れ、それをオールマイトさんがなだめていた

それを眺めているとマイクが俺に肩を組んできた


「でもまあ、ほんとに驚いたよな!こいつが結婚なんて」

心底嬉しそうに話すその顔に
何だか俺は恥ずかしくなった




幻想と付き合って一年
俺の左手の薬指には指輪が光っていた


俺自身もこの状況に未だ実感が沸かない




若い頃は結婚など縁遠い話だと思っていた
誰かとの一生を誓うなんて、合理的ではないと


しかし、それを幻想が変えた


あいつが幸せだと笑う度
幻想の身体についた事件の傷を目にする度


どうしても手放したくないと思うようになった




「ねえー、プロポーズはなんて言ったのよイレイザー!!」

「あ、それは僕も気になるな」

「やっぱり『俺が守ってやる』とかそういうんじゃねえの?!」


職員室の先生方が口々に喋りだし、俺に視線が集まる
面倒くさい…



「…別に普通ですよ。それにあいつは俺が守らなきゃいけない程弱くないです」

そう呟くと皆目の色を変える



「いやあー素敵だね相澤君、幻想さんの事信頼しているんだね」

「もうやだ私も結婚したい!!」


もう騒がしいな…



「俺、今日はもう帰るんで、後よろしくお願いします」

そう席を立つとマイクが茶々を入れる



「Hey!!最近ほんと早く帰るようになったよな!」


「…別に、仕事はちゃんとしてるんだからいいだろ」


そう言うとマイクは「そうだな」と嬉しそうに笑った



…今度一杯奢ろう
そう考え学校を後にした






自分でも分かる。最近俺は家にいる時間が多くなった

早く帰るとあいつが喜ぶんだ




生活はあまり変わらない
お互いに忙しく、何日も会えないこともある
時には喧嘩をすることも



だけど玄関のドアを開ければ待っていてくれる人がいる










「あっ消太さんおかえりなさい」


いつも変わらない笑顔で迎えてくれる


「…ただいま」





ああ、これが幸せなんだ。

俺は柔らかな空気に包まれるように玄関のドアを閉めた。












相澤消太は不健全に恋をする  END
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