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相澤消太は不健全に恋をする

第24章 二人の時間は動き出す


【相澤消太side】


緑谷から幻想の誕生日だと教えられた日
俺は凄まじい激務に追われ、残業をしていた。




「……おいイレイザー…、もう二人で逃げちまおうぜ…」
ぐったりとした様子でマイクが言う


「……黙ってやれよ…、」
そう俺が言うとマイクは渋々パソコンに向かった。



仕事に仕事が重なり、更には今日が期限の資料作成にまで追われていた。






今日は、電話をかけようと思っていた。




緑谷からあの話を聞いてから、
今日までずっと考えていた。



『相澤先生が好きです』


考える度その言葉を思い出していた。



幻想が俺に好きだといったのは16歳で
どうしてもその気持ちに応えることはできなかった。



呑み込んで呑み込んで、いつしか諦めていた感情は
考えるたびに大きくなっていた。



20歳になるならあいつはもう子どもじゃない、
久しぶりに話をするくらい許されることではないかと思っていた。



だけど…この様子だと今日中に帰れるかも分からないな。
そう思いふと時計を確認した。




「イレイザー」

ふと名前を呼ばれマイクを見る



「お前もう帰っていいよ」


そう言われ、一瞬何を言っているのか理解できなかった。

仕事はまだ終わっていない。



「いや、馬鹿だろ、何言ってんだ」

そう俺が言うと

「だってお前さっきから時計ばっか見てる。気づいてねえのか?」

そう真剣な顔をして言った。



「…何の用事があるかは聞かねえが、お前がそんなに時間気にしてるのなんて初めて見たよ。…なんかあるんだろ」


そう指摘され、時計を頻繁に確認している自分に気が付いた。
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