第2章 両面宿儺
『で、でーと?』
聞き慣れない言葉が耳に入った。
凄く嫌な響きだ。
悟からの誘いなんて嫌な予感しかしない。
「うん。ほら、行くよ。」
『えっ』
「手、取ってよ。とぶから」
『あ、はい』
咄嗟に手を掴むと、一瞬で見慣れた部屋へ移動した。
『適当に座って。コーヒーでいいよね。』
そう。ここは、五条悟の家だ。
彼は高専と外にそれぞれ部屋がある。
仮眠の時は高専内の部屋、休みの日は外の部屋、とメリハリをつけているらしい。
『うん。ありがとう。』
「はい、どうぞ~。砂糖は好きにいれてね。」
『ううん。いらないけど。』
「いや、よくそんなの飲めるよね。」
『いや、そっくりそのまま返すわよ。そんな甘いのよく飲めるわよね』
私はブラックコーヒー、悟は砂糖たっぷりのコーヒーをそれぞれ口に含んだ。
『で、何のよう?』
「え?用がないと一緒にコーヒー飲んじゃだめなの?」
『いや、コーヒーというより、用がないならなんで、ここに連れてきたのよ...。』
「ただ珠ちゃんと、会いたかっただけなのに~。」
『ちゃん付け気持ち悪いよ?』
「え、酷くない?機嫌悪いね、今日。」
『そりゃ、そうでしょ。悟のせいで、あのゲロみたいな上層部と顔付き合わせて話するハメになったんだから。騙されたわ...。』
「騙してないよ~。凄く助かったし。珠、ありがとね。」
『まぁ、役に立ったならいいんだけど。』
「うん。すっごく。流石、1級呪術師サマだね~」
『いや、特級の悟には言われたくない...。』