第2章 両面宿儺
私と悟は高専時代からの同期。硝子も同期だ。
訳はまた話す機会があるだろうから省くと、私は途中編入で入ってきた。
私が入学する前にもう1人、同期の夏油くんという人が居た。
彼の事はあの事件まで知らなかった。
数少ない2人の同期が2人とも高専に残るということで、私も流されるまま教師という職に就いてしまった。
「お腹空いたでしょ。なんか作るよ。何がいい?」
『おまかせで。』
「え、僕、珠の好みで料理出来るかな~」
『食べたいもの当てられたら、今回の件は水に流してあげよう。』
「精一杯作らせてもらいま~す。」
一応、言っておくけど、私と悟は恋人とかそんな関係ではない。
良き友人、良きライバル、良き仕事仲間、その域を出ることはない。
こうやって夜ご飯を一緒に食べるのだって同期だから。
硝子と3人でこの部屋でご飯やお酒を交わすことも少なくない。
お互い外で名字で呼び合うのは、教師になったことでのちょっとしたケジメのつもりだ。
「できたよ。どしたの?考え事?」
『んーん。悟とご飯食べるの、久しぶりだな、って思ってさ。』
「まぁ、お互い忙しいしね。夜は任務入っちゃうから。」
『わかってるよ。...これ、運んで良いの?』
「うん。へいき。」
『めちゃくちゃ色々作ったわね...』
「珠の好物をなるべく作ってみたよ。」
『そんなに、水に流して欲しいの?』
「うん。僕はいつでも、珠とは対等でいたいし、いてもらいたいからね。」
『そっか。じゃぁ、このチーズグラタンでいいにしてあげるわ。』
「ありがと。じゃぁ、食べようか。」