第8章 おまけ《結婚のご報告編》
≪伊地知潔高の場合≫【五条side】
「伊地知。」
「は、はい。」
「車出して。」
「あれ?五条さんもう任務ですか?」
「いや。」
「あの…翠さんのところに居なくていいんですか?」
というか、翠さんの容態は…。
と聞きたそうにしている伊地知。
「珠なら大丈夫。もう起きた。」
「あっ!そうですか!良かったです!!」
とても嬉しそうだ。
伊地知は普段から困った表情はよく見るが、笑顔とか、楽しそうな顔とか、そんな表情を僕は殆ど見たことなかった、気がする。
「で、どちらに行けば宜しいですか?」
「○○市役所。」
「○○市役所?ですか。何か書類取りに行くんですか?」
「まぁね〜。」
僕が答えないとわかったのか、静かに車を発進させた伊地知。
珠の様子を聞いて、本当に嬉しそうな表情をしてくれた、伊地知に少し僕まで嬉しくなった。
そりゃそうだよな…。
珠は失血死だって考えられるくらい出血が酷かったらしい。
そんな血だらけの珠を探し出して、車に乗せて高専まで運んでくれて……最悪を考えるよな。
でも、看病は専門の硝子に任せて、珠が起きてから困らないように報告書類を車で片付けてくれて居たのだろう。
車に乗った時、伊地知がタブレットを操作してるのが見えたから多分そうだ。
「伊地知…」
「はい?」
「ありがとう」
「えっ!?な、何がですか!?」
そんなに怯えなくてもいいじゃないか。
「珠を助けてくれて。」
「あっ…。はい。間に合って良かったです。」
「感謝してる。…という訳で僕、結婚するから。」
「えっ?五条さんが……!?結婚!?」
「うん。」
「誰と?」
「珠と。」
「へっ!?」
「おかしい?」
「いや、展開が早くて……。五条さん、おめでとうございます。」
「うん。さんきゅ」
「じゃぁ、これから市役所ってもしかして…。」
「うん。婚姻届取りに。」
「(展開が早すぎる!!)」
伊地知は頭が混乱しながらも安全運転で市役所へ到着し、五条をしっかり高専まで送り届けた。
≪伊地知潔高の場合・Fin≫