第5章 開花
「とめて。」
「はい。」
『あの…もう少し先、なのですが……』
「大丈夫。もうここからなら呪力追えるから。」
『そうですか…』
「それにこれ以上近づいたら、多分……」
『多分…?』
「いや、なんでもない。じゃぁ、相庭さん、珠をよろしく。」
「はい。お気をつけて。帳下ろしてくださいね?」
「わかってる。」
『あ、あの…!』
「珠、いい子にしてろよ。」
『巻き込んでしまってごめんなさい…。き、気をつけて……。』
「うん。ありがと。」
そう言うと、悟くんは車を降りてしまった…。
大丈夫なのかな…。
「大丈夫ですよ。」
『えっ…?』
「五条さんは、最強ですから。」
『最強…?』
「はい。強いですよ。だから大丈夫です。僕たちは約束通り高専に向かいますよ。」
『あ、あの…高専って…どこに…?』
「東京です。」
『東京!?』
「はい。長くなるので寝てても大丈夫ですからね。」
そう言うと彼は前を向いて運転に集中し始めたようだ。
今、23時…。どうしてこんな事になったんだろう…。朝まで、いや放課後まで普通の日常だったはずなのに…。どうして……。
疲れてしまったのか、私は車が動き出してわりとすぐに眠りに落ちてしまった。