第5章 開花
「しっかり掴まっとけ。」
『さ、悟くん!?』
「歩けないんじゃ仕方ないじゃん。運ぶだけだよ。」
『そ、それはありがたいんだけど!お、重いから!』
「重くない。てか、軽い。からへーき。」
『は、恥ずかしい…』
「ははっ。恥ずかしがってんの?可愛いじゃん」
『か、かわ!?』
「うん。可愛い。珠、いいからちゃんと掴まって。」
『あ、ありがとう…』
「どーいたしまして。」
そういうと五条くんは公園の外で既に待機していた様子の車の後部座席を器用に開けて、乗り込んだ。
「これから受胎九相図の回収行く。」
「えっ!?どゆこと!?なんで?」
「なんでも。」
「てか、その女の子は!?五条さん、任務中にナンパですか?」
『あ、私、す、珠です…。』
「あ、ご丁寧に。僕は、相庭(あいば)です。」
「これ、今日の俺の運転手。」
「運転手って…。」
「てか、早く向かってよ。一刻を争ってんだよ。受胎九相図だぞ?」
「は、はいぃ!ど、どちらへ!」
「珠?」
『あ、はい…。あの、○○町に…。近くまで行けたら案内ができるので…』
「はい!わかりました。」
「近くまで行ったら、お前は珠乗せて、高専に向かって。高専付近で合流するから。」
『えっ…』
「わかりました。」
「絶対に腐ったミカン共に見つかるんじゃねーぞ。」
「わかってますよ。珠さん、不思議な呪力ですもんね…。」
『わ、わかるんですか…?』
「まぁ、僕も一応、元呪術師候補ですから…。」
『元??…あっ!その道を左でお願いします。』
「わかりました。」
私が住んでいる町に入ったので私は口頭で道案内をしていく。
暗いからわかりにくいけど、17年住んでいる町だ。勝手知ったる道である。