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赫血月華(仮)

第5章 開花


暗い。静かで怖い。ここに居るのは嫌…!

目を開けると、目を血走らせた先生が私の口にミイラを食べさせようとしている。

や、やめて!いや…!
そんなもの食べたくない…!!

声が出てくれなくて、苦しい…怖い…。
誰か…助けて…。悟くん…!!


「…ず!珠!!」

『さと、る、くん』

「…大丈夫か?」

『ここは…っ!先生は!?先生が私に…!!』

「大丈夫。ここに先生は居ないから。」


意図せず涙がポロポロと出てきてしまう。
悟くんに抱きしめられて、暖かさを感じて、少し安心した。
段々と落ち着いてきたら、悟くんに抱きついたままだったことに恥ずかしさを感じてきた……


『あ、あの…』

「ん?」

『もう、大丈夫…。ありがとう…。』

「どーいたしまして。ほんとに大丈夫?」

『うん…。あの、ここは……?』

「もうすぐ高専です。珠さん、魘されてたので心配しました。」

『あ、相庭、さん。ありがとうございます。悟くん、いつ帰ってきたんですか?』

「ん?ちょっと前だよ。戻ってきたら、珠、寝てたからちょっとガッカリした。」

『え、あ、ごめんなさい…。』

「うそうそ。疲れたでしょ。まだ寝ててもいーよ?」


なんなら膝枕する?なんて楽しそうに言う悟くんのお誘いを丁重にお断りして、窓の外を眺めた。
ここが東京…。
生まれてからあの町を出たことが無かった私にはとても新鮮に感じた。


『なんだか、東京って感じがしないですね。もっとキラキラな都会をイメージしてました。』

「東京でも郊外はこんなもんだよ。」

『そういうものなんですね…。』


「着きましたよ。」

『ここが…。』


車が静かに駐車場のようなところに止まると、悟くんはすぐに車を降りてしまった。
そして私の方を振り返ると手を差し伸べてこう言った。


「ようこそ、珠。呪術高専へ。」

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