第5章 開花
「俺を信じとけ。」
そう言ってくれた悟くんを見る。
私の瞳をその澄んだ蒼の瞳で真っ直ぐに見つめてくる。
大した根拠もないのに、この人は信じられるって思っちゃったの。
あんなに怖いことがあったばかりなのに、初めて会った人を信じられるのかって…。
私もわからない…。でも、悟くんは嘘をついてるようには見えなくて。
……そうだよ。ずっと一緒に居たあの人たちですら、私を裏切っていたじゃない…。
信じられる、信じられない、に時間なんか関係ないんだ…。
私はこの世界に1人なんじゃって思ったこの瞬間に、得体のしれない私を、優しく抱きしめてくれて暖かい温度をくれた彼を信じたいんだ。
『わかった。信じる…。』
「おう。じゃぁ、公園の出口まで行こ。多分もう来るから。」
『う、うん…。』
「どうした?」
『手…』
「手?」
『手を握っててくれない…かな…?震えてしまって、立ち上がれなくて…』
「は?」
私だって、恥ずかしい…けど。
なんかびっくりと安心とで足から力が抜けちゃったみたいに全然いうことを聞いてくれない…。
「はぁ…」
『っ…』
深いため息をつく、彼…。
あ、呆れられたかな……。
恥ずかしくて、申し訳なくて段々と顔が俯く…。
しかし、次の瞬間、私の足は宙に浮いていた。