第5章 開花
*五条side*
『貴方も私に酷いことするの?』
今日、俺はこの近くで任務を終え、帰る前に甘いものを飲みたくなったので、自動販売機を目指して歩いていた。
すると、どこからか呪力を感じた。
(呪霊か?)
呪霊のような、どこか違う呪力を辿って行くと、小さな暗い公園…。
目を凝らすとそこに1つの人影が見える。
「は?」
思わず声を漏らす。なんだあれ…。
人間、なんだろうけど、呪力が、存在が可笑しい。
外は人間なのに、中身が呪霊に近い…?ような気がする。
俺は気配を消しながらその小さな人影に近づく。
「お前、何?」
『っ…!』
「聞いてる?お前、何者?」
意を決して後ろから声をかけるとその人影は恐る恐るといった様子でこちらを振り返る。
それは、黒い髪に漆黒の瞳の天使みたいな女だった。
暫く見蕩れていたら、冒頭の
『貴方も私に酷いことするの?』
だ。なんだ、酷いことってちょっとヤラシイことを考えてしまった自分がいて、心の中で叱咤した。
「しねぇよ。ほんとにお前、なんなんだよ。」
『えっ。何って…』
「お前、人間なの?」
そう言うと、その女は、突然、表情を歪めて目に大粒の涙を浮かべて、ポロポロと泣き始めた。