第5章 開花
『...』
何が起こったのかわからなかった...。
嫌だと叫んだ瞬間、私の周りから音や視覚が奪われて。
目を開けると、何かいいながら、身体が崩れ去っていく康汰先生...。
その近くには、さっきのミイラが落ちている。
(逃げなくちゃ...!)
そう強く思った。
腕を見ると、さっきまで拘束されていた手錠はなくなっている。
私は蹌踉ける足を引きずりながら、部屋を出た。
そこから私はどうしたのかわからない。
どうやって逃げてきたのだろう...。
でも気が付いたら、何処かの公園までたどり着いていた。
足は裸足だったからボロボロで、もうほんとは1歩も歩きたくない...。
でもまたあの生き物が追いかけてきたら?
康汰先生みたいな人達が来たら?
そう思うと怖くて立ち止まる気になれなくて...。
『もう、大丈夫かな...。』
辺りは真っ暗で風で木が音を立てるのも怖くて、身体がビクリと反応してしまう。
『これから、どうしよう...。』
「お前、何?」
『っ!』
「聞いてる?お前、何者?」
突然、話しかけてきた声に思わず身構える。
声がした方に恐る恐る振り返ると、白い髪に蒼い瞳...妖精のような男の子がいた...。