第2章 両面宿儺
悟の手作りの美味しいチーズグラタンを口に運びながら、
『あ、明日、1年生が増えるんだって?』
「うん。そうだけど、なんで知ってるの?僕、明日って話したっけ...。」
『夜蛾学長から、初対面で悟だけだと不安だから一緒に行ってこいって。』
「先生、僕への信頼度、低すぎない?」
『ふふっ、自業自得じゃない?』
「は?なんだと!」
こうやって悟と笑いながら話してると、学生に戻った気分になることが度々ある。
彼は教師になって少し大人しくなった。
今までの経験を越えて大人になったんだと思う。
だけど、私たち同期と話しているときは、学生の頃のように、"天上天下 唯我独尊"で自信たっぷりの最強なガキに戻っている気がするんだ。
あの頃、実は悟の事を異性として好きだと思っていた時期があった。
そんな想いは、時間が過ぎて行くうち...、大人になっていくうちに、段々と良い思い出として懐かしむ気持へと変わっていった。
『明日、私、別の任務もあるから、1年生に挨拶したら、1度抜けて終わったらまた戻ってくるね。』
「明日任務なら無理に戻ってこなくてもいいのに。」
『折角1年生とも仲良くなれる良い機会だし。悟の奢りだし。行かなきゃ。』
「おい。」
『うそうそ。行ったら私もだすわよ。でも時間的に厳しそうだったら直接、高専に帰っておくわ。お土産よろしくね。』
「わかった。」
『さ、明日も早いし、そろそろ帰ろうかな。』
「泊まっていけばいいのに、送るよ。」
『お風呂も入らなきゃだし。ありがと。』
悟が手を出してくるので、迷わず手を重ねると、一瞬で見慣れた私の部屋。
『ありがとう。ごちそうさまでした。』
「どういたしまして。」
『また明日ね。』
「うん。明日、よろしくね。」
そう言ってちゃんと玄関から帰って行った。
よし、お風呂!
明日も楽しみだ。可愛い生徒に早く会いたいな。