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桜月夜の、鎖

第4章 代償






「…………ただいま」




4日ぶりの我が家。
ウチの、匂いがする。
美桜の甘い匂い。




「さーちゃん!!おかえりーっ」



玄関を開ければ。
リビングからものすごい勢いで美桜が飛び付いて、きて。
思わず玄関にしりもち。



何か言いたそうに抱きついてきた、はずなんだけど。
お尻を押さえて立ち上がった時には美桜は急に慌てた様子で。

「美桜?」
「あ、さーちゃんおかえり」


とってつけたような、笑顔。


「…………あ、のさ美桜、話が」

「ごめん!!コンビニ行こうとしてたの、忘れてた!」
「え」
「アイス!食べたくて」



「………?」



にこにこしながらものすごい勢いで飛び付いてきたし、てっきりまた週末のことでも探られるのかな、って。
丁度いい機会だし、ちゃんと話そう、って。
思ったのに。
慌てた様子で、美桜は玄関を出て行った。








「桜月、おかえり」
「ただいま」
「彼氏出来たんだって?美桜が話してたよ」
「え」

荷物を持ったまま、リビングへと入れば。
美桜と同じようにニヤニヤしながら、ママがキッチンから顔を出した。


「別にそんなんじゃないから」
「彼氏でもない人の家にお泊まりしちゃうの、いんらーん」
「ちょっとママ!!」

娘になんてことゆーのよこの親は。


「ご飯は?」
「食べてきた」
「ビール?」
「お茶!!」


すぐにお風呂入って寝ちゃいたいところだけど。
美桜と話さなきゃって緊張してたのもあって喉がカラカラ。
冷蔵庫を開ければ。
ママが肩から覗き込んだ。


「………さすが、双子ね」
「?」
「同じ香水でもつけてるのかしらね」
「なんの話?」
「同じ匂い」


「え?」


にやにやしながら、自分はビールをとって。
ソファーへ。


「美桜もよーくそんな感じの匂いさせて嬉しそーに帰って来てたなぁって」
「え」
「なんか、今度連れて来るって言ってたよ。桜月あんた会ったことある?」
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