第4章 代償
『………バイト、行かせたくねえな』
『は?』
『離したくねえ』
そうだ。
蓮はいつも、そうだった。
いつだってストレートに気持ちぶつけて来てた。
『何時にあがんの』
『9時』
『迎え行く』
『だって、蓮もバイト……』
『明日1日、バイト入ってっから、それまで一緒にいたい』
『………っ』
『ホテル行こうぜ』
『と、泊まる、って、こと?』
『なんか問題ある?』
強引で。
全然、あたしの意見なんかお構い無しで。
いつだって自分本意で。
だけど。
『このままホテル連れ込みてえ』
『…………っ』
ストレートすぎ、だけど。
いつも本気だった。
だからこそあたし、蓮の言葉にはいつも刺さるもの、あったんだ。
『………離したくねえな』
同じだ。
変わってない。
蓮は、蓮だ。
「…………なに」
思いだし笑いをしたあたしを、蓮が後ろから額を押し込んで見下ろした。
ソファーに座る蓮の足元。
床に引かれた絨毯の上に座るあたしは、額を押されたせいで後頭部が完全に蓮の足の間、ソファーへとくっついた。