第4章 代償
「………っ」
裸………っ
これ、直に蓮の体温感じる……っ
な、なに、これっ
なんであたし今、抱き締められてんの……っ?
「帰したくねえな」
「…………え」
「このまま、ずっとおまえといたい」
「………ッッ」
な、なにい……ッッ
こんなキャラだった?
この人。
なに、この激甘な雰囲気は……っ
「……すっげー心臓の音」
「!!」
「………ってぇ!!」
バチン!!
て。
直に胸を叩いて蓮の腕から抜け出した。
「部屋、帰る!!」
身支度を整えて。
ドアを出ようとすれば。
ドアに手を掛けたところで。
後ろから蓮の腕がずっしりと絡み付いた。
「ちょっと…………」
「おまえ、俺のものになったんだよな」
「…………」
「そう思って、いんだよな?」
「…………ッッ」
肩へと頭を乗せる蓮の髪の毛が、耳をくすぐる。
息が、肩へとかかる。
ぎゅう、て。
後ろから抱き締める蓮の腕に、力が、入る。
「桜月」
身動きできないままに、小さくコクン、て。
頷いた。
「………帰ったら」
「え」
「そのまま俺のマンション来いよ」
「………っ」
「離したくねえし」
「………ッッ」
なん、で……っ
「桜月」
そんな甘い声、出せるの。
そんなの。
そんな、誘惑。
勝てるわけ、ないじゃん。
「………疲れてる、し、蓮のマンションのが、近い、から……っ」
なのになんであたし、こんな可愛くない返事しか、出来ないんだろ。
絶対耳まで真っ赤。
蓮にも絶対、気付かれてる。
耳元で、ふ、って。
笑う気配がした。
「いーよ、それで」
抱き締める腕の力が緩んで。
その隙に。
逃げるように部屋を出た。
「…………ッッ」
駄目かも。
心臓、持たない、絶対。