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桜月夜の、鎖

第4章 代償







「……………おい」

「………ッッ」




不機嫌な低い声が、聞こえる。




「なんだよそれ」






冷静でいる方が、どうかしてる。
あたし今なら恥ずかしくて死ねる、絶対。




「………暑くねえの?」




頭からすっぽりと布団を被り、丸くなるあたしに。
聞こえたのはやっぱり不機嫌そうな低い声。



「いい加減にしろって。いいから出てこい」

「………いや」

「桜月」


声のトーンが明らかに変わったの、わかる。
不機嫌、がイラつきに変わった瞬間だ。





「………っ、無理、ほんと無理……っ」

「なにが」
「全部が!!」



なんかいろいろあたし、すっごく恥ずかしいこと、言わなかった?
しなかった?



『…………好き』




「…………ッッ」





かぁあああ、って。
布団の中の温度が、さらに上がる。







「今さらなにいってんのおまえ」

「あ………っ」




バサッ、て。
布団が剥ぎ取られて。
ついでに右腕を引かれるままに身体が引っ張られれば。



「ちょっと………っ」




身体が蓮の上に乗る形と、なる。





「…………っ」




目下に、蓮の勝ち誇った表情。
"してやったり"みたいな、得意気に細められた瞳。



「離して………ッッ」
「って言われて、離したことあったっけ」



体を退けようと起き上がろうとするけど。
両腕が蓮に掴まって身動きできない。


しかも蓮、上半身、裸、だし……っ
目のやり場、困る。



「今さらなに照れてんの、もっとすごいのしてたじゃん。さっきまで」



顔ごと視線を外せば。
からかうような声色が、それを追いかける。
ついでに。
大袈裟に回された左手が、頭ごとあたしを捉えこんで。
引き寄せられるままに、唇が重なった。



「……っ、れん…ッッ」



両手を突っぱねて距離をとる、けど。
腕をまわされて蓮の胸に頬が、くっついた。
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