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桜月夜の、鎖

第4章 代償


再開された刺激は、すぐに快楽へと返還されて。
だけど。
熱を発散させることは許されないまま。


「お前の口から、聞きたい。ちゃんと」



溶かされきった思考回路じゃ、抗う術も理由もよくわかんなくなってきて。


もう。
何も考えらんない。


「手、ほどいて」
「まだ言うの、おまえ」

「蓮に、触れた………っ、これじゃ蓮にさわれ、な……」




お願い。
お願い。
蓮に触れたい。
ぬくもりを、ちゃんと感じたい。
こんな、無理やりなんかじゃ、なくて。
ちゃんと。
対等に蓮を感じたい。




「れん、だけ………」



認めるのが怖かった。
この気持ちを認めたら、認めちゃったら。
後戻りは出来ないから。




「蓮が、欲しい………っ」


だけど。



ボーッとする意識のまま見あげた蓮の瞳に、驚きの色が見えた一瞬のち、すぐに蓮は嬉しそうに。


「…………………やっと認めた、な」



拘束していた両手を、解いた。



蓮の頬に伸ばしたあたしの手ごと、優しく包み込みながら。
今まで必死で築きあげてきた全てが壊れる、5秒前。



蓮は、確かにあたしに向かって優しく、微笑んでくれたんだ。







「………ずっと、その言葉が欲しかった」



ぐったりと横たわるあたしを抱き起こして。
自分の膝の上へと、抱き締めながら下ろしていく。


「掴まって」


耳元で囁かれた甘美な言葉。


脳全部を溶かすような、甘い声。




「好きだ、桜月」



遠慮なく侵入してきた指よりもはるかに圧迫感のあるそれに、否応なしに漏れる甘い、声。




耳を塞ぎたくなるくらいの卑猥な音。




どれもこれもが甘い刺激になって溶けていく。









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