• テキストサイズ

桜月夜の、鎖

第3章 恋慕


「それは……ッッ、そっちでしょ!!美桜がいるのにこんな……っ!!第一付き合って、ないし!」
「は?」
「フラレたし!!」


自分のことはどっかのでっかい棚の上に置きっぱなしのくせに。
最低。
やっぱり来るんじゃなかった。
最低最低最低。



「どこ行くの」
「帰る!!」



ベッドから降りようと足を床に着けたところで。
ぐい、と身体を引かれて。
またベッドへと逆戻り。
ついでに。
勝ち誇ったような蓮の挑戦的な瞳が、あたしを見下ろした。




「付き合うんじゃ、なかったのかよ」
「は?」
「なんで?」
「…………関係、ない……っ」


ふい、と。
顔を背けて起き上がろうと、すれば。
肩を押さえ込まれてすぐにベッドへと背中がくっついた。


「蓮………っ、いい加減に!!」
「するのはおまえだろ、桜月」
「え」






「いい加減、認めろよ」






思考停止。
いきなり降ってきた、甘い口づけは。
あたしの思考を奪った。



「なにを」


やっと戻った思考回路は、たぶんこれだけ言うのが精一杯。
心臓の音、気付かれないように思い切り蓮を睨みつければ。
見下ろしたまま。
蓮の瞳がすごく辛そうに、揺れた。




「別れた」
「え」
「とっくに、美桜とは終わってんだよ」


「………え」


お、わった?
美桜と、別れた?


「………なん、で」


おこしかけた体を、強引にまた、蓮が組敷いて。
無理やり掴まれた手首がズキンて、軋む。


「わかってんだろ?」
「…………っ」
「桜月、俺は……」
「帰る!!」



やっぱり、来ちゃ駄目だったんだ。
来るべきじゃ、なかった。


「逃げんなよ」


捕まれた手首を押し退けようと、すれば。


「桜月」


蓮が。
甘く、そうあたしを呼んだ。

「……………っ」


囁かないでよ。
なんなのその声。
どっからでんの。


目を反らせずに固まるあたしにお構い無しに、蓮のキレイな顔が、近づいてきて。


/ 121ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp