第3章 恋慕
「さーちゃん?」
「あ………」
やば。
一瞬。
たった一瞬でも動揺したの、バレた?
双子だもん。
伝わらなくていーことまで、わかっちゃうの困る。
「……美桜がいなくなったら、寂しくなるなって」
「さーちゃん気、早すぎ」
「好きなんだね」
「え」
「彼のこと」
「…………うん」
「そ………、っかぁ」
「さーちゃんも、うまくいくといいね!好きな人と」
「え」
あ……。
『あたし、好きな人出来た』
「………うん」
『答えはもう、出てるみたいだね』
うん。
出た。
あたし、美桜の笑顔崩せない。
美桜には。
幸せになってもらいたい。
ほんとにそう、思った。
思ったのに。
醜い感情が、止まらない。
偽善だ。
こんなの。
美桜も。
沙耶ちゃんも結夏も。
………橘さん、も。
あたしには眩しすぎる。
こんな醜くて最低な自分が。
嫌になる。
嫌になるよ。