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桜月夜の、鎖

第1章 最悪の再会


そのまま。
勢い良く腕を引かれるままに身体ごと引っ張られて。


「桜月ちゃん!?」


同時に。
もう片方の腕は、橘さんに掴まった。


「ちょっとキミ、何?」


橘さんの言葉に、ピタリと足を止める、『蓮』。


「蓮!!」
「桜月ちゃん、知り合い?」
「あ、えと、はい。高校の、同級生で」
「あんたには関係ねぇよ。行くぞ」
「は?ちょっと!」


知り合いだって知って、緩んだ橘さんの隙をついて。
また蓮はあたしを引っ張っていく。


「何すんのっ!?離して!」
「待って!桜月ちゃん、嫌がってるけど」
「だから、あんたには関係ねぇって」


「━━━━きゃあ!?ちょっと!嘘!!」


あたしを引っ張る蓮を制するように蓮の腕を掴む橘さんを。
あろうことか蓮は思い切り蹴り飛ばした。


「橘さん!!」


慌てて駆け寄ろうとすれば。
何事もなかったように蓮はまた、あたしを引っ張っていく。


「ちょっと!離してってば!!蓮!!」


痛い。
掴まれた腕が、ギリギリと締め付けて、痛みを伴う。


「蓮!!」


駄目だ。
全然離してくれない。
何。
なんなの、これ。
全然聞いてくれない。


「蓮痛い!!腕痛いんだってば!!」


なんで?
怒ってる?
無表情。
全然わかんない。
蓮が、全然わかんないよ。





「…………え」



ドクン!!



ここ。
この、マンション。


延々と引っ張られ続けて辿り着いたのは。
見覚えのある、マンション。
過去の記憶が。
血の気を奪う。





「━━━━━━━っ、離せ!!」



嫌だ。
ここには、いたくない。
入りたくない。



思い切り蓮の腕に噛み付いて。
力が緩んだ隙に、蓮の手から抜け出す。



「噛み付くの好きな、お前」
「来ないで!!」
「は?」
「帰る!!」


「…………チッ」



思い切り踵を返して足を踏み出そうと、すれば。


「きゃぁ!?」


いつの間にか足が地面から離れた。



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