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桜月夜の、鎖

第1章 最悪の再会


「何?なんで?おろしてよ!!おろして!!」


気付けば。
蓮の肩に担がれるように身体は宙に浮いていた。
手足をバタバタと暴れても。
全然蓮は止まってなんてくれなくて。
エレベーターに乗り込んだ途端、乱暴に落とされた。
下ろされた、じゃない。
落とされた。
おかげで床に打ち付けられたお尻が痛い。


「何すんの………」



文句を言うためにすぐに立ち上がれば。
文句さえ、飲み込むように噛み付くみたいなキスが、あたしを飲み込む。


「━━━━〰️っ!!」


重く激しい口づけに、知らずに足は後退し、気付けば背中が壁へとくっついた。
逃げ場がない中でのキスは、さらに激しさを増し、窒息しそうなほどに呼吸すら奪っていく。
やっと解放されたのは、エレベーターのドアが開いてから。
蓮はそのまままた、強引に腕を引っ張っていく。
無言で。
無表情で。



「ねぇ蓮!やだ!嫌だ!ここは嫌!」


見覚えのある、風景が。
過去の記憶を勝手に呼び戻す。
嫌。
嫌。
ここには、いたくない。



ガチャン、て。


鍵を開けて入る一室。


「やだ!!」



入りたくなくて、掴まれてない方の手で思い切り入り口の壁にしがみついた。
だけどそんなの、僅かな抵抗。
あっさりと指先は離され、無情にも蓮はあたしを部屋の中へと、すごい力で引っ張っていく。


「蓮!!」



やだ。
やだやだやだ。


「…………っ」


"ここ"に来た時とは違う恐怖が、頭をよぎる。
蓮の、部屋。
このまま辿り着く先なんて。
ひとつしかない。





「きゃぁっ!!」




乱暴に開けた部屋のドア。
そのままあたしは、部屋の中へと投げ出された。
部屋の中の、ベッドの上。
つまりここは、寝室。
その事実に。
一瞬で頭も身体も凍りつく。



「………れ、ん」



体勢を整えようと両肘をシーツへと付くけど。
からだが震えてうまく起き上がれない。
ジャケットを脱ぎ捨てる蓮が、視界に入り込んで。
さらに温度が急降下。
そのまま。
蓮はあたしを跨ぐように、ベッドを軋ませた。
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