• テキストサイズ

桜月夜の、鎖

第5章 嫉妬




「蓮」


ぎゅ、て。
蓮の腕を強く握りしめた。


「れーんーねぇねぇ彼女?紹介してよ」
「はぁ?今取り込んでんだよ空気読め。つかおまえ何しに来たん」
「ままが蓮の様子見にいけってゆーからさぁ。」
「ああ?」
「今日退院したんでしょ?早速彼女連れ込むなんて元気じゃん」
「てめぇに関係あんのかよ」
「弟の様子見に来て何か悪いんですか」
「相変わらずタイミングっつーのしんねぇ女だなてめぇ」
「ねぇねぇ彼女?大丈夫?もしかしてもう赤ちゃんいますー的なあれじゃないよねぇ?」
「はぁ?バカじゃねぇの帰れよおまえ」
「バカってゆー方がバカなんですー」
「まじで何しに来たバカ女」




「…………お姉、さん…………?」




「ん?」
「あ?」



待って。
今。
弟って。
ゆった?
誰が?


「ぇ、蓮。お姉さん、いたの?」

「言ってなかったか?」
「…………知らない」
「蓮くんのお姉ちゃんでーす。ごめんねぇこの子言葉足んないのよねぇいつもいつも」

「…………」


嘘。
嘘だ。
じゃ。
あたし…………。



「…………桜月?」
「ごめ…………っ、あたし…………」



どーしよう。
あたし。
あたしがあの時。
全部。
あたしのせい。



「立てるか?とりあえず部屋入んぞ」



蓮に促されて立ち上がり。
力の入らない足をとりあえず踏み込んだ。











「…………落ち着いたか?」



あったかいココアを蓮が、手渡して。
コクリと一口、口へと運ぶ。



「で?」

「…………ごめん」
「なんかあんだろ?俺に話せないこと?」
「違うの。違くて…………」




松葉杖が、ソファーの端、立てかけられて。
蓮が隣へと腰を下ろす。



「ごめん蓮…………。嫌いにならないで」
「は?何、いきなり」


はぁ。
息を一旦全部。
吐き出して。
言葉をゆっくりと、紡いでいった。



/ 121ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp