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桜月夜の、鎖

第1章 最悪の再会




『はぁ?また?そればっかじゃん。飽きねーの』
『飽きないの!!』
『やだ、パス』
『ラーメンもあたしやだ』
『………』
『蓮お願い、新しく出来たんだよ、かわいいってみんな言ってんだよ?』
『余計パス』
『れーん!!』





「桜月ちゃん?」
「あ……、ごめんなさい」
「疲れてるのに、無理に誘ったかな。ごめんね?」
「違います違います、全然、疲れてません!」
「そう?なら……パスタならいい店知ってるから、行こうか」
「はい」






「桜月ちゃんはさ、絶対なんでもいいってゆーかと思ってた」
「え」


おすすめのお店の、おすすめのメニューをオーダーして。
目の前のオレンジジュースのストローに、口を付ければ。
にこにこと頬杖付きながら橘さん、が、口を開いた。

「あ、ご、めんなさい!!」

しまった。
『なんでもいい』前提で良かったんだ。
橘さんだもん。
誘った時点でお店のチョイスはあったはず。
間違えた。
はじめから橘さんに、任せてれば良かったんだ。


「違う違う。いいよね、桜月ちゃんのそーゆーとこ」
「え」
「ちょーっと気、使いすぎな気もするけど。俺さ、昔から桜月ちゃんのそーゆーとこ、好きだよ」

「………っ、ぅえ!?」


ストローから流し込まれたジュースが、空気と共に肺に入る。


「ごめん、大丈夫?」
「だ、大丈夫、です………っ」


ゴホゴホとむせ混むあたしに、笑顔でナプキンを渡しながら。
橘さんの視線が、こちらに向けられた。


「?」


ス、て。
眼鏡が外されて。
真剣に、橘さんと視線が絡む。


「やっぱり。これ、度、入ってないでしょ」
「ぇ」
「そうじゃないかなぁとは、思ってたんだよね」
「入ってます。弱いけど」
「裸眼でいけるくらいなんじゃないの?ほんとは」
「…………」
「事情は人それぞれだよね。はい」
「?」


外された眼鏡が、また目元に掛けられて。
目の前には、橘さんの、笑顔。


「桜月ちゃん、今何やってんの?」
「え?あ、ぇと、橘さん、と同じ、教師、やってます」
「嘘、まじで?」
「あ、でもあたしは、中学の」
「そっかぁ、そうなんだぁ」
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