第5章 嫉妬
嫌がらせって。
嫌がらせって!!
子供か!!
「だっておまえ、他の男とイチャイチャイチャイチャ。むかつくじゃん。こっちはずっとおまえのこと忘れらんねーでずっといたってのに」
「い、イチャイチャって。してないよ!」
「してただろ!道の真ん中で」
「してない!!」
…………あれ?
忘れらんない……って。
「でも、美桜の前にも彼女くらい、いたでしょ?」
「いねーし」
「嘘!!」
「は?」
だって。
じゃぁなんであんなにキス、上手いわけ!?
え、エッチだって。
それなり、に。
そりゃ、あたし蓮しか知らないし、上手いとか下手とか良くわかんないけど!!
「何」
ほんとに?
ほんとに、美桜の前には誰も、いないの?
「…………」
無意識に綻んでしまう口元をキュッと、結んで。
だけど少しだけ残る、疑問も払拭したくて。
「ほんとに?」
「しつけーよ」
「………ほんとに、『なんにも』ないの?」
「…………」
「何、その間」
「………味見、くらいなら」
味見。
味見、って?
「…………………あんたってやっぱ、最低」
ちょっとでも喜んだあたしが、バカじゃん!!
味見って?
味見って!!
最低っっ!!
「まぁ、今更だろ、それ」
「………………………んん?」
この話の流れで。
なんで唇がくっついてんかすごく疑問で。
突然訪れた柔らかい感触のそれに。
目を閉じるのも忘れてると。
突然目を開けた蓮と目があった。
「………………………っ」
恥ずかしくて。
後ろに引こうと頭に力を入れるけど。
髪の毛に差し入れた蓮の大きな手のひらがそれをいとも簡単に阻止してくる。