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桜月夜の、鎖

第5章 嫉妬


聞き逃されてなかった事実も。
通じちゃった意味も。
それはそれですごく、恥ずかしくて。
かぁああ、って。
一気に熱が、上がる。



「……美桜、ともしたんでしょ?」



なのに。
止まらない。



「キス、以上のことだって」


〰️ああもうっ
ほんと無理。
止めたい、のに。
止まらない。



「本気で言ってんの」




あ………。
怖い、顔。
睨む、とか意地悪に、とかじゃなくて。
これは本気で機嫌悪い時の顔。



「…………れ…っ」



嫉妬。
最悪。
好き、って、自覚した途端止まらない。
あたしの知らない8年間、蓮の隣にいたのは誰?
美桜は、1年前から付き合ってたって言ってた。
ならその前は?
あたしの知らない8年間、誰を愛して。
愛されたの?




「……ごめん」


言えない。
そんなみっともないこと。
醜い、感情。



「おまえと美桜比べたことなんてねーし、わかんねーよ」

「………そう、だよね」



蓮の顔、目、見れない。
バカなこと言った。
美桜と比べられんの嫌がってたのは、あたしなのに。




「………ほんと、女っていちいちそーゆーの気にすんのな」
「え」



『女』、って?
誰?



不安気に顔を、上げれば。
意地悪に細められた漆黒の瞳。


「…………っ」


やられた。
わざと、だ。



「おまえに散々酷いことしてきたのは、認める」
「え」
「怖がらせてたのも、悪かったよ」

「蓮?」


何?
今度は蓮が、視線、反らした?


「お前の怒った顔、見るの楽しくて」


「………………は?」



「嫌がらせ」



嫌がらせ?



「…………嫌がらせっ!?」



「そう、嫌がらせのつもりだったんだよ」



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